街選び、学校選び留学先を考えるにあたって、すぐに出てきたのが大都市か小都市?と私学が国立?という選択。大都市であれば、フィレンツェというのはすぐに決まった。イタリア語はここから生まれて正しいイタリア語を話すと言うし (この時はそう信じていた)、治安も比較的いいと言うし、やっぱり憧れの街だったから。 でも、日本人なんて1人もいない、という小都市も捨て固い。 そこで、ウルビーノやソレント等の学校にもメールを送った。 私学の学校は、いくら資料を読んでも何か全部同じに見えて、よく分からない。国立はレベルも高く何より学費が安いので、 ペルージャとシエナの外国人大学の資料を京都イタリア文化会館にとりにゆく。 しかし、パンフはイタリア語と英語のみ。ここですでに弱気になってしまった。 そんな時、大阪の通っていた学校にLINGUAVIVAの校長が学校の宣伝に来ていて、その会に参加した。 そこで何か留学のイメージができたのと、何より手続きは大阪の学校が全て無料で代行してくれると言うし、 現地にも日本人スタッフがいると言うし、もろもろの不安が解消された気がした。 また、好きにしぃと言っていた母も実はかなり心配していて、安心やからそこにしといて、とお願いされたのもあり、結局ここに決めた。 当時はビザが切れても学校に通っていれば滞在許可証が延長できたので、当時LINGUAVIVAで一番上のクラスまでいったし、 お金もないし、聞いた評判も良かったので結局フィレンツェ大学付属語学学校に移った。上にクラスまでいったといっても、 新しい事をダダーッとやってかなり混乱していたので、中級からやり直す事にした。 私はこんな風にして留学先を決め、それに後悔もしていないし、いろんな経緯があってずっとフィレンツェにいるが、 自分の経験と現在バイト先に来る日本人留学生から話を聞いていて、いろいろ思う事がある。 フィレンツェは、(一応)標準的なイタリア語と言われているので、私学の学校数がダントツに多い。 従って留学生の数も多いし、日本人の割合もかなり多いので、私学は日本人スタッフがいる所も多い。 私と同じように、安心感から選ぶという人も多いし、特に言葉に不安のある人は、やはり何かと心強い。 しかし、本当に日本人、多すぎる・・・これはバイト先に来るNさんから聞いた極端な例だが、 彼女の学校は日本の留学斡旋会社に登録してるせいか、1クラス10人中9人が日本人で、 “ここは日本か?来てる意味なし”と思う事もしばしばとか。 ちなみにLINGUAVIVAも日本人が多かったが、全体的に生徒数が多い=クラスも多い、という訳で、 何とか日本人比率3割までにはおさまっていたと思う。 もし、せっかく来るんだからイタリア語しかしゃべりたくない、という人はまずフィレンツェはアウト。 でも、多分ローマやミラノも同じでしょう。私がウルビーノの学校にメールを送った時に日本人学生のことも聞いたら、 ここは当時1名のみ(まぁ、全体数も20名、2クラスしかない所だったが)で、 1人でマウンテンバイクで野山を駆け巡って楽しんでる、と返事が返ってきた。 私は私学LINGUAVIVAに4コース=約4ヶ月(私学の学校の大半は4週間が1コース)、 国立Centro di cultura per stranieri・フィレンツェ大学付属語学学校に3コース=約9ヶ月 (季節単位で、1シーズン2ヵ月半、夏のみ1ヶ月)に通った。 そこで、私学と国立(私学はほぼ全体的に言える事、国立は私が通っていた所が中心になりますが)の比較すると、 1:学費は断然国立が安い!私学は多少の違いはあっても1コース・4週間約500~600ユーロ、 国立は1コース・2ヵ月半で確か450ユーロほど。 2:期間は、上記に記した通り。同じクラスで比較的長期間過ごす国立の方が、友達が出来やすく、 仲が深まる可能性が高い気がする。 私学は慣れてきた頃にクラス替えがあったり、さっさと国に帰る子が多い。 3:クラスの人数は、私学の標準で1クラス10人程度で教室もコの字形に座ったりする事が多い。 国立は中級までは30人位いて黒板の前に机と椅子が並ぶ、という感じだが、 上級は数がグンと減り、10人程度だったので私学と同じような感じ。全体人数も結構大事なポイントで、 全体人数が少ないと、学校は1クラスにある程度の生徒を入れたがってレベル分けができす、 クラスの中でレベルが高い人には物足りなく、低い人には辛~い授業となる。 国立は絶えず全体人数が多い(私が通ってた当 時は全体で200人はいたと思う)ので、そういう事はない。 4:授業のレベルは、全体的には先生も内容も公立の方が高いと思う。 ただし、先生によって、かなり違います! 私は、幸運にも先生的にも人間的にもいい人にあたったが、先生が嫌でクラスを変わっていた人もいた。 また、公立では語学以外の授業がありフィレンツェ大学付属ではフィレンツェ大学の教授による イタリア史、イタリア文学通史、近代文学史、ダンテ、フィレンツェ文 化、エトルリア史、美術史、イタリア映画などがあった。 興味がある人はもちろん、ない人でも語学のレベルアップになると思う。 5:テストは、私学も公立も最初にレベル分けのテストと、1コース終了時にテストがある。 LINGUAVIVAはレベル分けの時は簡単な面接もあったが、コース終了後のテストは筆記のみで、 成績の会話の点数は普段の授業で判断されていた。大学付属ではレベル分けの時は筆記のみだが、 コース終了後は筆記(作文がかなりのウェイトを占めていた)と、どのレベルでも必ず口頭試験があった。 口頭試験の内容は先生によって違うが、最低でも1人あたり20分はあり、結構キツい。 6:課外活動は私学も公立も両方あり。私学ではスポーツや映画、コンサート、アウトレットなども 見かけた事もあるが、基本的な近郊都市観光や、美術館訪問などは両方ある。 7:学生サポートは、高いだけあって私学が断然よい。多くの私学ではホームステイやアパートの斡旋はあるし、 大手だと滞在許可証申請・引取りの代行までしてくれるし、日本人スタッフもいる。 大学付属では、このようなサービスは一切なく、2人のおばちゃんは結構冷たい(特に若い方はかなりムカつく)。 ペルージャやシエナ大学指定の不動産屋などがあると聞いたが、フィレンツェの大学付属では一切ないので、 多くの人は校内や通っているインターネット屋の掲示、知り合いのツテなどで自分で探さなくてはいけない。 私が思いつく限りの項目で私が感じた事はこんな感じである。 いろいろ書いたが、留学前・そして来た後に当人がそう考え、行動するのが一番重要なことだと思う。 ここフィレンツェで日本人が多くても、日本人グループの中にばっかりいないで自分で積極的に動いたり、 学校以外でもホームステイやスーパー、バールなどで知り合いを作る人もいるし、 日本人の友達で情報交換したり励ましあったりする事が大きな助けになる事も事実だ。 かと言って、友人アレッサンドロの彼女の弟の元彼女は、2年いたにも関わらず学校は日本人だらけ、 友達も全て日本人で、一緒にご飯を食べた時も、おししい?という質問にさえ、まともに答えられなかったという。 彼とはどうやってコミュニケーションをとっていたかは謎だが、そういう場合、 英語をしゃべっちゃったりするらしい(個人の勝手だが、私はやっぱりおかしいと思う)。 留学を検討中の皆さん、適当に参考にして下さい。 2004.5 → フィレンツェという町 |